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パンプス、パカパカしてない?脱げるパンプスをフィツトさせましょう

こんにちは! なりこです。
私、靴屋だったんです。それも靴屋歴10年以上。
シューフィッターも取得していました。

そんな私が先日転びました。ひどい捻挫をして大変な思いをしたんです。治るまで時間がかかりました(-_-;)

理由は、『ゆるいパンプスを履いていた』からなんです。

そこで今回は、自分できるパンプスのパッキング方法を伝授します!!

靴を知ろう!天然皮革と合成皮革の違いは?

靴の素材は天然皮革と合成皮革と人工皮革があります。

【 天然皮革 】通称 本革
・素材がしなやかで柔らかく、伸びやすい
・通気性が良く、お手入れ次第でひび割れせず長持ちする
・革それぞれの風合いがあり、長く使用することで味がでてくる
・水に弱い

【 合成皮革・人工皮革 】通称 合皮・フェイクレザー
・水に強く、キズがつきにくい
・お手入れが簡単。靴クリームがいらない
・天然皮革より安い
・素材がかたく、足になじみにくい
・天然皮革に比べて通気性が悪い

中でも人工皮革は、天然皮革の風合いや履き心地がより再現されているため、見た目で区別をつけるのが難しいくらいです。

お値段的にいうと、
天然皮革が一番高く、次に人工皮革、安価な合成皮革という感じです。どの素材もメリット、デメリットがあるのでシーンによって使いわけるといいですね!

どんな中敷きを使えばいいの?

さて、本題です。どんな靴でもゆるくなってしまったら中敷きを入れます。一番簡単なのは、市販の中敷きを購入して上に乗せる方法なのですが、パンプスだと脱いだ時に見えやすかったり、つま先のみの中敷きは着脱の際ずれてしまったりしませんか?

そこで、今回はワンランク上のパッキングをご紹介いたします。
とても簡単なので一緒にやってみましょう!

※今回のパッキングは中敷きをはがします。パンプスを素足で履く方にはおすすめできません。ストッキングを着用する方のみ、この方法を試してみてください。

パンプスでは、よほどゆるくない限りつま先のみパッキングをします。今回はもとの中敷きの下に詰めていくので、市販の中敷きでは厚すぎてしまいます。
そこで、こちらを使います。

こちらは、靴屋さんがサービスで入れてくれる前中スポンジ(通称 前スポ)なんですが、探したらネットで購入する事ができました。薄くて簡単に切ることができるのでカスタムしやすいです。

25足組なので、たくさん使えますね。
子供のスニーカーはカップインソールが多いので、大きめを買った時にもこれがあれば簡単にサイズ調整できますよ!

前スポを使って詰めてみよう!!

では、今回はこの靴のサイズ調整をおこないます。そうです、この靴でコケました。このようにヒールが高いと履いているだけで前滑りするのでよけいに脱げやすくなると思います。また、履きこんで甲周りが伸びてゆるくなった靴も、このように調整することで履きごごちが良くなります。では、スタート。


【前スポの使い方】

① 前スポはこのように使います。裏表はありませんが、向きだけ気を付けてください。わからなくならないように、右と左を書いておいても良いと思います。パッキングしてしまうと、見えませんので大丈夫です。
本格的に詰める前に、一度試し履きをしてください。当たって痛い部分やものすごく窮屈に感じなければ、次に進みましょう。

② 靴の中敷きは、取り換えられるように簡単に剥がすことができます。指を入れてみてはがれやすいか確認してみてください。しかし、靴によっては、糊がしっかりついていて剥がれにくいものや中敷きが極端に薄いものがあります。そういった場合は無理にはがすと中敷きが破けてしまうので、残念ながこの方法でつめることはできません。

③ つま先から甲のあたりまで中敷きを剥がしていきます。上の画像のように靴の内側から少しづつ剥がします。中敷きの下には大概スポンジが入っていて履いた時のクッション性を良くしています。そのスポンジが中敷きを剥がすと多少デコボコしてしまいますが、パッキングしてしまうので履いた時の違和感はありません。

④ あとは上に乗せるだけで完成なのですが、ちょっと前スポが長いので余分な所をカットしていきます。

⑤ このあたりから斜めにはさみを入れて切ります。段差ができにくいように靴屋時代からこうして切っています。

⑥ カットした前スポをつめていきます。ここで大事なポイントは前スポの一番幅の広い部分と靴の一番広い部分(甲部分)に中敷きを置くことです。
詰めたいのはつま先ではなく、甲の部分なので前に入れすぎないでください。

⑦ あとは、中敷きをもとに戻せばできあがりです。そのまま中敷きを戻しても、ストッキングを着用すれば中敷きがめくれることはないと思います。
ご心配な方は、前スポの中央部分に両面テープを1cm各程貼り、中敷きを固定してください。また、市販の『靴用ボンド』もあります。
接着するときは、べったりつけすぎない方がいいです。一度パッキングしても、また履きこんでいくうちに甲周りの革が伸びたり、前スポがつぶれてゆるくなってきます。何度も入れ替えができるよう接着は軽くしておいてください。

↑つめる前です。

↑つめた後です。かかとのゆるみがすこし改善されています。
つめたばかりは多少きつく感じますが、前スポは薄いので市販の中敷きよりなじみは早いと思います。

前スポ 応用編

次は応用編です。
たとえば、もう少しきつくならずに詰めたい方や甲周りがあたりやすい方などいらっしゃると思います。その場合は前スポを自由にカットして使う事もできます。

この部分をカットすることで甲周りを少し楽にすることができます。

前スポを置く場所は、カットしてもしなくても同じで10この辺りです。親指側・小指側のみこちらか一方をカットしてもOKです。私は小指側の骨が出ていて当たりやすいので、外側のみカットすることが多いです。

このように前スポは自身の足の特徴や具合に合わせてカスタムしやすいので、色々試してみてください。

【 さいごに 】
いかがでしたか?最初は中敷きをはがすのに勇気がいると思います。
中敷きは意外と簡単にはがれるのでチャレンジしてみてください。
本革も合皮も履いているうちに足に馴染んで、伸びてきてしまいます。
少しでも快適に歩けるようにケアしていきたいですね。

では、また!!

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